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スペシャル対談

2013 Autumn

スペシャル対談
Women’s Health 健康女子のつくりかた
女性特有の不調や、年齢によって変わるトラブル…
アナウンサーの中井美穂さんと婦人科ドクターの林先生が「女性の健康」をテーマに対談。
「健康女子」になるためのヒントが、ここにあります。
アナウンサー    中井 美穂 さん
1965年生まれ。フジテレビアナウンサーとして活躍した後、1995年、結婚を機にフリーに。現在、「世界陸上」メインキャスター、「鶴瓶のスジナシ」、「タカラヅカ カフェブレーク」などに出演。キャンサーネットジャパンのブルーリボンキャラバンに参加するなど、健康支援活動にも積極的。
やすこレディースクリニック院長    林 康子 先生
1964年生まれ。産婦人科専門医、母体保護指定医。日本医科大学卒業後、日本医科大学付属第一病院、横浜日赤病院産婦人科に勤務し、2003年神奈川県横浜市に「やすこレディースクリニック」を開業。患者とのコミュニケーションを大切にし、長期的な視点に立った診療で、女性の心と体をサポートしている。

自分のメンテナンスに婦人科を活用していいんですね。

中井…
私はテレビ局勤務だった頃、病気で番組を休んだことがないくらい健康でした。ところが30代後半に子宮筋腫で手術を受けることになり、そこから自分の体に関心を持つようになったんです。
林……
筋腫が見つかったのは検診で?
中井…
いえ、元々は子供を望もうと病院に行ったのが、きっかけです。筋腫の数がすごく多くて「こんなにあったらゴロゴロしませんでしたか?」と言われましたが、太っただけかと…。やはり婦人科って気軽に行きにくいですし、長く放置しすぎたんですね。
林……
「婦人科」「女性診療科」「女性科」と看板を上げているところは、もっと女性が日常のメンテナンスのために活用していいんですよ。
中井…
特に不調がなくても行っていいですか?
林……
もちろん。私の患者さんも「とりあえず先生の顔を見に来た」とか(笑)。
中井…
そんなかりつけのドクターがいるといいですねえ。今はインターネットで、どんな医学情報も手に入ると思われがちですが、体の不調って百人百様だから他人の体験を聞いても納得いかないんですよね。
林……
一般論と自分を比べて不安になるのは、やめた方がいい。私が全ての女性におすすめしたいのは、1年に1回、婦人科の定期検診をすること。お誕生日月などに決めて、自分へのプレゼントにしてはどうかしら。自覚症状がなくても、検診で何らかの疾患が見つかるケースってすごく多いんです。
中井…
年に1回だと、どんな検診をすればいいんでしょう?
林……
必須なのは超音波検査と子宮がん検診ですね。特に超音波検査は、子宮や卵巣の状態を観察できるので子宮筋腫や卵巣嚢腫、卵巣がん…などを発見できます。
中井…
先生、マンモグラフィーは?
林……
マンモグラフィーはなるべくやってください。でも婦人科の施設によっては設備がないので、超音波での検診を組み合わせるとよいかも。

現代は子宮・卵巣トラブルが増えている!?

中井…
女性の体のトラブルって、年代ごとに違うんですよね。
林……
20代は生理不順や月経前症候群など生理に関わるものが多く、30代になると子宮筋腫が増えてきて…。
中井…
やはりそうなんですね。子宮筋腫の原因って何ですか?
林……
私は「顔のシミと同じ」と説明するんです。つまり老化現象の一種。年齢と共に多くなるけど、時期や大きさは人によって様々。出ない人もいるしね。
中井…
それほポピュラーなものなんですね。でも子宮筋腫とか子宮内膜症とか、最近になって増えたような…。
林……
検査方法の進歩で小さな筋腫も発見しやすくなったことも一因でしょうね。あと現代女性は出産が遅くなっているので、それだけ生理期間を長く経験することになり、卵巣や子宮への負担も大きくなっています。ライフスタイルの変化で、子宮トラブルが増えてきたという面もあるんですよ。
中井…
確かに、これだけ毎月生理を迎えているのって、私達の世代が最初くらいかも。ますます女性にとって、自分の体と向き合うことが大切な時代なんですね。先ほどの定期検診に加えて、生活の中で気をつけたいことはありますか?
林……
一番は「冷やさない」こと。冷やしちゃいけないのは、特にお腹です。なぜなら腸が冷えると、月経痛など婦人科的な症状も強くなる、これからの季節、冷たいものを飲んだり、お腹を出して寝たりしないでくださいね。
中井…
でもビールがおいしいんですよねえ(笑)。
林……
熱中症予防には水分補給も必要なので、ビールも体温以上なら(笑)。体を温める食材、ショウガやサンショウなどを料理に積極的に取り入れるのもいいですね。
中井…
どちらも大好きです!

他の誰でもない自分の体だからもっと正しい知識を持ってほしい。

中井…
40代半になって、更年期のことも気になり出しました。
林……
更年期って何だと思いますか?
中井…
閉経に向かう中で起こる、様々な体の不具合?
林……
ブー。
中井…
あ、ブーって言われた(笑)。
林……
更年期とは閉経前後を指す、ただの「時期」。「更年期は調子が悪い」というイメージが先行してますが、全く平気な人もいる。なのに先に気持ちで負けてしまっている人もいるんです。
中井…
確かに…何でも更年期のせいにしたりね。
林……
卵巣が寿命を迎えてホルモンを出さなくなるのが更年期の症状ですが、その卵巣へ「ホルモンを出しなさい」と命令しているのは脳の視床下部というところ。
中井…
脳が社長で、卵巣が平社員?
林……
そうそう。若い時は卵巣もがんばってホルモンを出しますが、更年期になると無理になる。だから脳は「もっと!」と指令を強める。社長の怒りが更年期の不調につながるわけです。
中井…
では、社長に怒りを鎮めてもらうには?
林……
視床下部はストレスの中枢でもあるので、精神的にリラックスしたり楽しい気分で毎日を過ごすのが大切です。女性の体は本当に繊細なんですよ。ちょっとしたストレスで生理が飛ぶとか、もうしょっちゅう。
中井…
心と体は一体なんですよね。気持ちの持ち方や生活の工夫で更年期が変わってくるなら、ちょっと体験するのが楽しみになってきました。先生にお話が聞けて良かったです。
林……
思い込みや間違った知識に振り回されるなんて損。もっと正しい知識を勉強してほしいし、もっと婦人科を暮らしのパートナーとして活用してほしい……と私は声を大にして言いたいんです。
中井…
私も先生のような“かかりつけドクター”がほしい!
林……
それと、しつこいようですが定期検診は絶対ですよ。
中井…
肝に銘じます(笑)。